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3Dレーザースキャナーを利用したデジタルアーカイブ化の取り組み

3Dレーザースキャナー

各地で広がるデジタルアーカイブ

歴史的な建造物や文化財の保存のためにデジタルアーカイブ化の取り組みが広まっています。建造物の劣化や事故によって失われる文化財が後を絶ちません、最近でもノートルダム大聖堂や首里城で火災事故が起きたことにより多くの文化財が失われました。
こうした事故により文化財が完全に消滅してしまう事態を防ぐためにもデジタルアーカイブ化は急務と言えます。

デジタルアーカイブ化することによる利点

デジタルアーカイブ化によりオープンなデジタルコンテンツが増えることで、資料の保存以外にも様々な活用が可能です。そのような社会をデジタルアーカイブ社会と呼ぶ人もいます。
デジタルアーカイブ社会のメリットとしては、研究目的として自由にデータにアクセスできるようになり研究活動の活性化が見込める、観光VRを作り地方創生に役立てる、多言語化により海外発信が容易になる、デジタルコンテンツに付加価値を付けビジネスに活用するなどと言ったものがあります。
価値ある文化的資産を有効に活用するために様々な国や自治体がデジタルアーカイブを推進しており、その取り組みは今後ますます広がっていくでしょう。

デジタルアーカイブの方法

建造物のデジタルアーカイブ化の場合、写真を始めとした様々な資料を集めてモデリングを行うという方法がとられることが多かったのですが3Dレーザースキャナーの登場によってより詳細な点群データとして保存ができるようになりました。
3Dレーザースキャナーによるデータは表面の凹凸までしっかりと記録できるため、肉眼では気付かなかった模様や構造を発見できるなど、研究資料としても役立っています。
他にも、光学による非接触方式なので対象を傷めずにスキャンできると言った利点があります。

3Dレーザースキャナーの活用事例

ノートルダム大聖堂

先日焼失したノートルダム大聖堂にはデジタルアーカイブプロジェクトにより制作された3Dレーザースキャナーによるデジタルデータが残されています。
このプロジェクトは数年前にアメリカの故アンドリュー・タロン教授とフランスで文化遺産の3Dデジタルアーカイブ化の取り組みを行っているArt Graphique Patrimoine(AGP)という団体の協力のもと実施されたものです。
現在AGPはフランス政府の要請を受け復元プロジェクトの為の支援を行っており、ノートルダム大聖堂再建への大きな役割を担っています。
参考:アンドリュー・タロン教授がワシントン大聖堂のスキャンを行った時のインタビュー

佐貫石仏

国内でもデジタルアーカイブの取り組みが行われており、栃木県にある佐貫石仏もその一つです。
形状を点群データで見ると肉眼では確認しづらかった石仏本来の構造が確認できるようになり研究が進むなど学術的な成果もありました。

クラウドファンディングを利用した3Dデジタルアーカイブの取り組み

宮城県にある旧都城市民会館は1966年に建てられたホールで「メタボリズム」という建築思想に基づいて設計された歴史ある建築物。老朽化の為取壊しが決定していましたが、図面だけでは記録しきれない複雑な構造を残すために3Dデジタルアーカイブとして記録するためクラウドファンディングを行い、3Dデータとして保存することに成功しました。

ヨーロッパにおけるデジタルアーカイブ化の取り組み

国内では国立国会図書館デジタルコレクションによる電子資料の公開などが有名ですがヨーロッパでも先進的なデジタルアーカイブ化が進められています。
EUでは文化遺産のためのデジタルプラットフォームとしてヨーロピアナというWebサイトを運営。EU各国から集められた文化遺産などをオープンデータとして公開しており、誰でもアクセスすることが可能です。
EU加盟国の図書館や博物館が所蔵する書籍、文献、映像、絵画などを検索・閲覧でき、モナリザを始めとした有名絵画なども閲覧することができます。

まとめ

このように、文化財の保存やそのデータの活用などを目的としたデジタルアーカイブ化が広まっています。
有形無形の文化財は懸命の努力にも関わらず、崩壊や焼失してしまうものが多数あります。後世に遺産を伝えていくためのリスクヘッジとして、デジタルアーカイブ化というのは非常に有効な方法の一つです。

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