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3Dレーザースキャナーの種類と主な用途を解説

3Dレーザースキャナー

前回は地上レーザースキャナーについて紹介しましたが、3Dレーザースキャナーには用途に合わせたいくつかの種類があります。

設置型レーザースキャナー

最もよく見るタイプのレーザースキャナーです。地上設置型のため高精度の測量が可能。持ち運びも容易なため様々な現場で使われています。 特に土木や建築現場での測量では3Dレーザースキャナーの存在は欠かせません(点群データを活用してICTを推進(建築・土木編))。
土木・建築業における測量以外でも活用が広がっており、映像業界ではCG合成に利用する構造データを取得する際などにこのタイプのレーザースキャナーの活用事例があります。
ユニークな使い方としては船の曲がり外板という複雑な形状の部品の計測に使うケースがあります。通常は木型を使い歪みなどをチェックしますが熟練職人でも難しい作業で品質にバラツキがありましたが、3Dレーザースキャナーで形状データを得ることで数値的にチェックができるようになり加工精度が増しました。いずれは置き場の困る木型を使わずに精度評価できるようにすることを目指しています。

移動式ウェアラブルレーザースキャナー

人が背負って使える移動式のレーザースキャナーです。精度では設置型に劣りますが障害物が多い所でも人が移動しながら測量できるため人込みや洞窟の調査で活躍しています。
森林調査でも活用されています。森林のデータからどの程度の木材が取れるかや木々の位置や状態などがデータですぐにわかるようになるため、効率的に間伐や伐採計画を立てることができるようになります。

車載型レーザースキャナー

車載型のレーザースキャナーです。自動車の積載量を活かしてレーザースキャナー以外にカメラやGPS、各種センサーを積みMMS(モバイルマッピングシステム)として運用されています。道を走り広範囲のスキャンが行えます。 道路のひび割れやわだち掘れ量といったものやトンネルの壁の状態を調べ路面の整備・補修計画に役立てます。MMSを使って取得した地形データを用いて災害時のシミュレーションを行うなど防災分野でも役立っています。

ドローン搭載型レーザースキャナー

空から撮影できるドローンはレーザースキャナー搭載機としても利用されています。空中を移動できるため地形を問わず測量可能なのが強みです。主に地形データの取得に使用され、ゴルフ場のような広い土地の測量などを行います。 ICT建機との連携も盛んでドローンを使って取得したデータをもとに無人トラクターで耕作、無人ショベルカーで整地するなどの活用事例があります。ICT建機は作業によっては熟練オペレーター並みの精度を出すこともできこれからの普及が期待されています。

ハンディタイプ・アームタイプ

人が手にもって使うタイプのレーザースキャナーで自由に持ち運べるハンディタイプと台を設置しアームを動かして計測するアームタイプのレーザースキャナーがあります。 部品の計測などで使用され品質管理やリバースエンジニアリングで役立っています。ノギスなどによる手作業の計測よりも効率化がはかれます。 交換部品の在庫が無くなった工作装置の部品をアームタイプのレーザースキャナーでPCに取り込みCADデータを作成。そうしてリバースエンジニアリングしたデータから交換用部品用データを作成し3Dプリンターでプリントアウトするといった活用事例があります。型を起こす手間などが省けるため業務の効率化が可能となりました。 地上型レーザースキャナーで死角となった細かい部分の補完にも使われます。ハンディタイプ使用には大掛かりな準備が必要ないため軽いフットワークで行えるメリットがあります。

まとめ

このようにレーザースキャナーには用途に合わせたタイプがあり、活躍の場面も多種多様です。同じタイプであっても測量可能距離や防塵、防爆など使用条件により最適なレーザースキャナーというのは変わるためご購入の際はぜひご相談ください。
点群データは(x,y,z)の座標というシンプルなものですがシンプルゆえに広く応用されています。アイディア次第で更に用途は広がっていくでしょう。