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測量の歴史~3Dレーザースキャナーまでの歩み~

今回は測量の歴史を簡単に紹介したいと思います。
3Dレーザースキャナーが登場するまで測量はどんな進歩をしてきたのでしょうか。

測量の起源~古代エジプト~

古代エジプト文明の時代、ナイル川がたびたび氾濫をおこしていました。洪水のたびに土地を測りなおす必要から測量や図形への研究が盛んになり、これが測量の起源と言われています。

古代エジプトではエジプトひもとよばれる等間隔に結び目のついたひもを使って直角三角形や正方形を描いたそうです。例えば直角三角形なら辺の比率を「3:4:5」にすることで求められます。
古代エジプトの測量技術は高くピラミッドの向きは建設当時の東西南北へほぼ正確に一致するほどです。

三角測量の誕生

三角測量は長さのわかっている辺と測りたい点との角度から長さを求める測量方法で、3Dレーザースキャナーをはじめとした現代の測量でもこの原理が広く応用されています。
1533年にオランダのフリシウスが三角測量の原理を開発し、時がたった1617年に同じくオランダのスネリウスが現代にも通用する三角測量方式を開発しました。

参考
3Dレーザースキャナーの計測方式と対応製品一覧
国土地理院 三角点の測量

日本の測量史の始まりは聖徳太子の時代!

古墳時代には巨大な古墳を建設する技術があったことから日本でも測量が始まっていたと考えられますが、大陸から日本に測量技術が渡ってきたのは、聖徳太子が送った遣隋使(けんずいし)が持ち帰ったものが最初と言われています。
こうして日本にもたらされた測量技術は土地の区画整理などの目的のために活用されていくことになります。

近代日本の測量 ~トータルステーション~

近代の測量はトータルステーションの登場によって大きく変わることになります。
世界初のトータルステーションは日本のトプコン社が開発した「EDMセオドライト GTS-1(GUPPY)」です。
1980年頃に登場したトータルステーションは角度と距離を測る機能を併せ持ち、なおかつそれをデジタルで記録できるという画期的な機器でした。
これにより角度、距離を別々に測る必要がなくなり交換の手間や記録ミスが大きく減少。測量の作業効率と精度が大幅に上昇することとなります。

3Dレーザースキャナーの誕生

近年登場した3Dレーザースキャナーもまた測量に大きな変化をもたらしました。
秒間数十万を超えるレーザーを発射し周囲を測量する3Dレーザースキャナーは点から点へのものだった測量を面で測量するものへと変えたのです。
これにより、以前は人の目だけがだよりだった、ひび割れなどのリスク判定を測量データの分析からおこなえるようになるといった成果が生まれています。
また、土木、建築分野以外での応用も盛んでCG制作やデジタルアーカイブづくりにも利用されています。

まとめ

3Dレーザースキャナーへと繋がる測量の歴史を簡単にですがご紹介させていただきました。
全部は紹介しきれませんでしたが、人工衛星を利用したグローバルナビゲーションサテライトシステム(GNSS)や航空機を利用した航空レーザー測量、MMSのような移動しながら測量できる技術など測量技術はさまざまな発展をとげています。