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防爆型3Dレーザースキャナーで工場やプラントでの3D測量にも対応

防爆とは?

防爆とは可燃性物質が存在しそうな場所での使用が想定される電気機器に施される事故防止のための備えのことです。
製油所や化学合成プラントのような可燃性物質を扱う施設では事故などにより可燃性物質が充満してしまう場合があります。
充満した可燃性物質がスパークや高温の物体に触れると爆発や火災の原因になる可能性が高いため、そのような場所では防爆構造を持つ防爆電気機器を使用します。

防爆エリアでの3Dレーザースキャナー測量

施設の図面が失われてしまったり、度重なる増改築で施設の状態が設計図と乖離してしまうことは珍しくありません。
そんなときに役立つのが3Dレーザースキャナーです。スキャンすることによって現在の状態を3DCGで可視化し、正確な現状把握を行えるようにすることでエンジニアリングに役立てます。
防爆仕様の3Dレーザースキャナーであれば通常の3Dレーザースキャナーでは調べられない化学プラントや危険物運搬船と言った危険物を取り扱う施設や船舶などの構造を調べることができます。

化学プラント

化学プラントには大量の配管が複雑に張り巡らされています。増改築が繰り返されると設計図だけでは現状把握が難しくなります。
防爆仕様の3Dスキャナーを用いることで複雑に絡み合った構造を正確に把握し、改修や新規配管の設計といったエンジニアリングに役立てます。

危険物運搬船

船舶は老朽化や法改正などにより設備の更新が必要になる場合があります。
船内は配管等で複雑な構造をしているため3Dレーザースキャナーでスキャンを行い現在の状態のデータを集めます。
集めたデータを元に3Dモデリングを作成することで船の現状を確認しながら設計等が行えます。

燃料タンク

可燃性物質を保管している燃料タンクの周辺は通常安全ですが設備の劣化や事故等で可燃性ガスが漏出されることがあるため。防爆仕様の3Dレーザースキャナーを使用します。

防爆が必要とされる場所と過去の発火原因

防爆された危険物施設であっても発火事故は完全に防げるわけではありません。消防庁の発表によれば、国内でも年間200件ほどの危険物施設における火災が起きています。発火の原因は静電気火花によるものが最も多くその危険性が伺えます。
事故原因もヒューマンエラーや設備の劣化のような保守・整備不良など様々です。

石油化学コンビナート

可燃性の高い石油や石油製品などを扱います。ベンゼンの入ったタンクから試料を取ろうとした際に静電気が発生し発火、爆発した事故などがあります。

化学プラント

生成する物質によっては、可燃性の高い化学物質を扱ったり精製の過程で大量の粉塵が発生する場合があります。
大量に舞った粉塵が静電気により発火し粉塵爆発を起こした事故などがあります。

鉱山

掘削の過程で大量の炭塵が生まれたり、突然メタンガスといった可燃性のガスが噴き出ることがあります。ガスや粉塵の濃度が高まるとトロッコの摩擦熱などにより爆発することがあります。

半導体工場

半導体製造の過程で様々な危険物を扱います。アルコールなどの可燃性物質を使った洗浄の工程などがあります。
停電によりジシランの排気管が破損、確認のために仕切板を緩めたところ残留物と空気が混ざり火災が発生した事故などがあります。