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老朽化したインフラの点検は3Dレーザースキャナーにおまかせ!

全国で老朽化したインフラが増え、そのメンテナンスが社会問題となっています。みなさんの身近にも老朽化したインフラがあるのではないでしょうか?
国内の道路橋で建設後50年を超えるものは2017年で約23%、2033年には約61%になると言われていることからもその深刻さが伺えます。

建設後50年以上経過する社会資本の割合

  2017年12月 2023年3月 2033年3月
道路橋 約23% 約36% 約61%
トンネル 約19% 約26% 約41%
河川管理施設 約30% 約43% 約64%
港湾岸壁 約10% 約32% 約58%

引用元:ICT、データ活用等による戦略的なインフラメンテナンス等(国土交通省)

老朽化していくインフラは膨大な数に上るため、事業者の人手不足や自治体の予算不足なども指摘されています。
そんな中、メンテナンスサイクルの効率化によってコストと時間の削減を目指す取組が全国でおこなわれており、3Dレーザースキャナーの導入もその一つです。
国土交通省が推進するi-ConstructionというICT活用の取り組みの影響もあり、インフラメンテナンスのデジタル化が少しずつ広まっています。

橋梁

橋梁の点検・診断では目視や打音による検査が一般的ですがこれには高所に足場を作って作業をおこなう必要がある、検査精度が個人の技量に左右される、熟練スタッフの確保が難しいといった欠点があります。
3Dレーザースキャナーであれば離れた場所からでもスキャンできるため、足場を作らずに素早く全体の点検をおこなうことができます。
こうして得たデータにより人間の点検が必要な箇所をスムーズに割りだすことができ、メンテナンスの効率化が可能です。

河川

河川の測量では3Dレーザースキャナーを搭載したUAV(ドローン)などを用いて周辺地形の調査や川底の測量がおこなわれています。
通常のレーザースキャナーは水面ではじかれてしまうため川底の調査をすることはできませんが、グリーンレーザーと呼ばれるレーザー光線は水中を透過できるため、川底の測量をおこなうことが可能です。
これにより水中にある橋脚周辺の測量に役立てることができます。
航空レーザー測量のようなコストのかかる方法を用いずに測量できるため費用削減のメリットがあります。

道路

モービルマッピングシステム(MMS)と呼ばれる車両に3Dレーザースキャナーやデジタルカメラ、各種センサーを搭載したものを使い道路の点検をおこないます。
車載なので自動車を走らせながら路面の状態を点検することができ、広範囲を素早く効率よく調査可能です。

まとめ

3Dレーザースキャナーをはじめとしたデジタル機器の活用のおかげで、インフラメンテナンスのコスト削減や時間短縮といった成果が出ています。
また、国土交通省はスキャンによって得られた点群データなどのデジタルデータをまとめてオープンデータとして広く活用できるようにすることで官民連携を促し維持管理のスマート化を図る取り組みもしています。