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点群データからCADへ!~役割に合わせてカタチを変えていく点群データ~

前回の記事では「点群データとは何か」や「点群データの活用事例」についてご紹介させていただきました。
今回は点群データの利用の中でも特に多いCADとしての利用についてご紹介したいと思います。

CADとは?

CAD(Computer-Aided Design)とはコンピューターによる設計支援のことで「キャド」と読みます。
パソコンを使って製図をおこなうので従来の紙に製図する方法と比べて、繰り返し図形を簡単にコピーできる単純な寸法ミスをなくせる面積などを手で計算する必要がなくなるデジタルデータなので管理が簡単といった利点があります。そのため多くの場所でCADが採用されるようになりました。
CADを使って設計するものには家やビルといった建築物からスマートフォンのような日常にあるものまでさまざまです。まさに現代の設計において無くてはならないものだといえるでしょう。

CADを使ってできるのは設計だけではありません。設計したモデルデータを使って写真のようにリアルなレンダリングをすることでコンセプトを視覚化したり、物理シミュレーションをおこない製品の強度を調べたりすることにも活用されています。

点群データからCADデータができるまで

点群データからCAD用のデータを出力できるということは説明しましたが、実はワンボタンで自動的に変換してくれるというわけではありません。
ある程度の自動化は可能ですが、最終的には専門のスタッフの手による修正が必要となります。
ここでは点群データからどういう過程を経てCADになるのかをご紹介します。

合成

3Dレーザースキャナーで測量をおこなうときは1つのポイントだけではなく複数のポイントから測量をおこないます。
数回に分けたスキャンで得られる点群データはそのままではバラバラな状態です。そのため1つの点群データとして扱えるようにデータを合成する作業が必要となります。
スキャンの際にターゲットマーカーを置いておき合成時の基準点とする方法が一般的です。その基準点をもとにデータの位置合わせをおこない合成することで、バラバラだったデータを1つの点群データとしてまとめます。

ノイズ除去

合成作業をおこない1つの点群データが完成しましたが、このままではノイズが多いためノイズ除去の作業をおこないます
点群データ上のノイズというのは、スキャンする時に入り込んでしまったチリやほこりのような浮遊物であったり、鏡や水たまりのような光を反射する部分であったりすることが多いです。
こうした要素を取り除くことでスキャンの対象とデータの間にある差異を減らします。

メッシュデータに変換

ノイズ除去をしたデータに面をはる工程です。
点と点を直線で結び三角形を作り、できた三角形に面をはることでメッシュデータ(ポリゴンデータ)を作成します。
三角形の組み合わせによって物体の形を表現しているため、そのままでは角が残ってしまいカクカクとした見た目です。そのため滑らかなメッシュデータが必要な場合はスムーズ化などの処理をします。

サーフェスデータに変換

サーフェスデータは三角形で形を表現しているメッシュデータとは異なり、数学的モデルを使って形を表現します。
数学的モデルを使ったモデルは曲線などを自然で滑らかに表現できるのが特徴です。
数学的モデルにはNURBS形式やBezier(ベジエ)形式などがあります。

CAD用データへ

サーフェスデータから面数を削減しCADで扱える軽量のデータを作成します。
こうしてでき上がったデータはCADやシミュレーションなど多くの場所で利用されています

まとめ

今回はCADについてやCADデータが完成するまでをご紹介しました。
この記事で紹介したCAD完成までのフローはあくまで一例です。計測する物体によっては一部はサーフェスデータに変換、残りはメッシュデータの状態で作業し、最後に合成するなんて方法をとる場合もあります。
このように何を計測するかによって、どこまで点群データを処理するのかが変わることもあるので注意が必要です。
当サイトの業務案内3Dデータ解析業務」のページ下部ではソーキ販売で作成した点群データやモデリングデータのサンプル画像を掲載しているので興味が湧いた方はぜひそちらもご覧ください。

関連リンク:
点群データを活用してICTを推進(CAD編)