IoTプラットフォームにおける3Dレーザースキャナーの役割とは?~IoTと3Dレーザースキャナーについて~
目次
3DレーザースキャナーがIoTプラットフォームの中に組み込まれる事例は数多くあります。メディアでIoTのイメージが語られる場合、医療の現場で患者さんをモニタリングすることや温度や湿度をリアルタイム計測して農作物にとってベストな環境を維持するといったシチュエーションが紹介されがちなので、もしかしたらIoTで3Dレーザースキャナーを活用しているイメージがあまりないかもしれません。
ですが、3Dスキャナーのような正確な立体構造を把握する技術はさまざまな場所で活かされており、いわば人間の目のかわりとして利用されています。
以前の記事では「IoTについて」や「今IoTの普及が加速している理由 」などをご紹介しました。
今回の記事ではIoTプラットフォームにおける3Dレーザースキャナーの役割などを中心にご紹介いたします。
IoTプラットフォームの中で目の役割を持ち
情報の見える化を助ける3Dレーザースキャナー!
3Dレーザースキャナーの大きな特徴として高精度の3Dスキャンが挙げられます。
大量の点群からなるデータは物体の形を正確に写し取ることが可能であり、デジタルデータとして保存しているので、その後のデジタル利用にもスムーズに移行することが可能という大きなメリットを持っています。
ドイツのインダストリー4.0という次世代の技術に関する構想では、AIにより自分の力で考える機械を導入した「スマートファクトリー(スマート工場) 」による自動化の実現とそれによる生産性の大幅な向上が根幹として掲げられました。
スマートファクトリーではロボットを使った自動化・省人化、IoT・AIを使ったビッグデータ活用による作業の合理化など最新技術を盛り込んだシステムが想定されています。
このような次世代の工場で目の役割をはたし、情報の「見える化」を実現すると期待されているのが3Dレーザースキャナーです。たとえば工場のラインから大量に流れてくる製品をリアルタイムでスキャンし、エラー品をはじくことができれば大幅な効率化を見込めます。
すでにこうしたスマートファクトリー実現のためのプラットフォームの提供を始めている企業も出てきており、有名なところではAmazonの「AWS IoT」、ファナックの「FIELD system」、シーメンスの「MindSphere」などがあります。
3Dレーザースキャナーによる品質管理は一点ものでも正しく検品可能
3Dスキャンを使った品質管理は大規模な工場でなくても役立ちます。3Dスキャンによる検品というのは現物をスキャンし持っているデータとの整合性をチェックするので、一点ものであっても正しく評価可能です。
従来の3次元測定器のような熟練の技術を取得する必要がなくなり誰でも扱えるのが魅力です。
離れた位置から非接触かつ高速でスキャンできるので柔らかいパーツを触れずに計測したり、複雑な形をしたパーツの検品時間短縮なども見込めます。
ニーズに合わせた3Dレーザースキャナーを使い生産性アップ
3Dレーザースキャナーをはじめとした3Dスキャナーの低コスト化が進み普及の追い風となっています。
測量や検品のような精度の高さが求められる場所では今まで通り高精度の3Dレーザースキャナーの使用が中心ですが、小さなものやそれほど精度のいらないものにはデジタルカメラのデータから3Dモデルを生成するフォトグラメトリという手法がとられることもあります。
Googleが開発したヴェルサイユ宮殿を再現したVRゲーム「VersaillesVR」ではこのフォトグラメトリ技術を使って美術品や彫刻のモデリングを行いました。
ヴェルサイユ宮殿を再現するために、なんと132,000枚もの写真が使われたそうです。
もちろん、3Dスキャナーによって集められたデータはIoTにも利用できます。集めたデータを分析すれば生産性の向上に繋げることも可能でしょう。
最新のiPhoneに3Dスキャナーが搭載されたり、中国のクラウドファンディングで安価な3Dスキャンカメラが販売されるといった事例もあり、3Dスキャナーを利用したIoT機器がもっと身近になる日も近いかもしれません。
まとめ
IoTプラットフォームにおける3Dレーザースキャナーの役割などをご紹介しました。
スマートファクトリー内における品質管理をはじめとした作業のオートメーション化や効率化へ役立つ技術として注目が集まっていますが、3Dレーザースキャナーが苦手な光ものや黒いもののスキャンといった課題も残されています。
こうした課題を克服するために画像処理技術を使った方法や計測する製品を計測しやすい場所に持っていくシステムを構築する方法など他の技術と組み合わせた方法が開発されています。
ソーキ販売では3Dレーザースキャナーの購入や
IoTシステムの開発を行っています
ソーキ販売では3Dレーザースキャナーの販売・レンタル、3Dレーザースキャナーでの計測業務のほかにソフトウェア・システム開発も行っています。
業務のIoT化のためIoT機器やソフトウェアの開発、Webアプリケーションを利用した使いやすい管理アプリなどを提供しております。
IoTによるデータの見える化やシステム制御、パソコンやスマートフォンを使った一元管理によって高い生産性を生み出すことも可能です。
ソーキ販売では堅牢なシステムの提案から設計、開発、運用までを一連の流れで構築し事業者様をサポートします。IoTの導入や業務の効率化を考えている事業者様はお気軽にご相談くださいませ。