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3Dレーザースキャナーの軌跡!3Dスキャナーはこうやって進化してきました

最近になって3Dレーザースキャナーの話題を見ることが多くなりました。
立体や空間を直接スキャンする3Dスキャンの技術は近年になって突然登場したように思えますが、その歴史は意外と古いことをご存知でしょうか?
今回は現在の3Dレーザースキャナーに繋がるまでの軌跡をご紹介したいと思います。

3Dレーザースキャナーの源流「三次元計測機」

3Dつまり3次元による計測の歴史は意外と古く、国内初となった三次元計測機の登場は、今から50年以上前となる1960年代にミツトヨ社が開発した「三次元計測機」にまでさかのぼります。
当時の三次元計測機は室内に設置して使う大きなもので、ノギスのようにバーニヤと呼ばれる目盛りを使って読み取る方式でした。当時としては非常に画期的な発明であり、こうして製造業を中心に三次元計測が広がって行くことになります。
その後も三次元計測機の進化は続き、センサーを使った接触式のものやレーザーを使う非接触式のものなど、さまざまな種類の計測方法や計測機が誕生しました。
こうした進歩が現在の3Dレーザースキャナーへと繋がります。

国産初の3Dレーザースキャナーは2008年に登場!

国産初の3Dレーザースキャナーはトプコン社が開発した「3DレーザースキャナーGLS-1000」です。世界初のトータルステーション「EDMセオドライトGTS-1(GUPPY)」を開発したトプコン社が3次元データ市場の拡大を受け開発しました。
今までのトータルステーションのように点を計測するのではなく高密度で素早く3次元データを取得できるという3Dレーザースキャナーの特性も手伝って、プラントなどの工業計測を中心に土木・建築市場へと広がって行きます。

多様な需要に合わせて進化した3Dレーザースキャナー

国内初の3Dレーザースキャナーは「地上設置型」と呼ばれるものでした。地上設置型は最もポピュラーなタイプの3Dレーザースキャナーであり、三脚の上に設置したスキャナーで周辺をスキャンします。
しかし、地上設置型の名の通りスキャン中は設置した場所から動かせない欠点があり、移動しながらスキャンをしたいと思ってもすることはできません。
このような多種多様な需要を満たすために、さまざまな種類の3Dレーザースキャナーが開発されました。
現在では人が背負って歩きながら使えるウェアラブルタイプ、車載型で自動車を走らせながら計測できるMMS、手で持ちながら細かなスキャンができるハンディタイプ・アームタイプ、ドローンに搭載して空から測量ができるドローン搭載型などのタイプがあり3Dレーザースキャナーの活躍の場所は大きく広がっています。

土木・建築分野以外でも3Dレーザースキャナーの需要は拡大!

3Dレーザースキャナーで取得できる3次元データは点群データと呼ばれます。土木・建築分野を中心に広がっていった3Dレーザースキャナーの需要ですが、点群データの応用の幅広さが認識されるにつれて、それ以外の分野でも応用が試みられるようになりました。
ソーキテクノロジーブログでもたびたび活用事例をご紹介していますが、映像業界におけるポストプロダクションでの活用、プロジェクションマッピングでの利用、文化遺産のデジタルアーカイブ化、製造業でのリバースエンジニアリングなどがあり、その活用事例は多岐に渡ります。
3Dレーザースキャナーと点群データの応用事例はこれからもますます増えていくでしょう。

まとめ

3Dレーザースキャナーの登場とその進化についてご紹介しました。3Dレーザースキャナーの登場からまだ20年も立っていませんが活用の場はどんどん広がっています。
近年では高性能の新型やリーズナブルな廉価版なども登場しており、さらなる活用が期待できそうです。